ボトックス

ボトックスとは

ボトックスは殺菌処理された製剤で、少量(25-30ユニット以下)を注射することにより、表情筋によってつくられたしわを治療します。毒性物質なので、大量(40,000ユニット以上)に使われるとボツリヌス菌食中毒を引き起こすことがあります。ボトックスはボツリヌス菌が産生する8つの毒性物質のうちの1つを高度に精製することで合成的に生産されます。

ボトックスの効果

ボトックスは過去15年以上、顔面の筋肉のけいれん(チック症)や、アンバランスな筋肉(斜視)などの治療に使われてきました。薬剤を注射した部位の筋肉を一時的に麻痺させる効果があり、ごく少量で安全かつ効果的な治療が可能です。これらの患者について、治療を施された部分の周りのしわが消えることが知られていたことから、1989年からボトックスは下記の部位の弛緩の為に使用されるようになり効果をあげています。


●眉間の縦しわ(眉と眉の間に深く刻まれた縦じわ)
●カラスの足跡(目じりの小じわ)
●バニーライン(鼻横の横じわ)
●額の横じわ (眉を上げる時に使う筋肉が原因)
●口の周りのほうれい線
●頬の望まないえくぼ
●口角を2,3ミリ程度持ち上げることによって口角を上向きに見せる
●眉の端や中央を2,3ミリ持ち上げる
●目をもっとをはっきり見せるために、目の下のたるみに少量を注射する
 

これらの筋肉は顔の表情を造るので、皮膚を直接ひっぱり、やがて線ができ、それがしわとなって永続的に刻まれます。しわは遺伝的に決まって出るものもありますし、幼児の頃からの根強い表情のクセの結果でもあります。

 

ごく少量、43 ユニット以下のボトックスを、非常に小さくて細い使い捨ての注射針で直接筋肉に注射します。一度に50ユニット以上が注入されることはありません。その後この筋肉が弛緩し皮膚をひっぱらなくなり、しわが伸びます。深く刻まれたしわは完全には消えませんが、かなり薄くはなるでしょう。ボトックスの効果の表れ方には個人差があり、全ての人の筋肉が同じレベルで弛緩するわけではありません。ボトックスの反応はかなりの部分予測できるものではありますが、全ての方に満足いただけることを保証するものではありません。

ボトックス効果の持続期間

通常、効果持続のための再注射が必要となるまで3ヶ月から6か月です。治療が繰り返される内に、効果はより長持ちするようになります。これは、他の筋肉も使わないと退化するのと同じように、使わない為に筋肉が退化するせいだと思われています。効果が実感できるまでには通常1日2日かかります。時には10日ほどかかる場合もあります。同一筋群に対する再治療までは、最低2週間は開ける必要があります。

ボトックスの形状

ボトックスは少量の結晶がガラス製の薬瓶にはいった凍った状態で届くので少量の無菌食塩水を加えます。透明な溶剤で微小粒子は含みません。

ボトックス注射の痛みの程度や副作用は?

ボトックスを注射すると軽度から中程度の痛みがあります。しかし、組織に炎症が起きることはありません。

また、副作用に関しましては、どんな注射でもそうですが、注射した部分の周りがあざのようになる場合もあります。そのリスクをできる限りなくすため、アスピリンや、アドビル、アリーブ、ナプロキセンのような非ステロイド系消炎剤は、治療の数日前からできるだけ飲まないようにしてください。稀に、ボトックスが周辺部位に移動した結果、眉や瞼が下垂することがあります。口の周りに注射するときは細心の注意が必要です。ものを食べたり話したりするのに若干の支障を来す場合があるからです。微笑んだときに上唇が扁平化することがあり、歯の見え方が少なくなる場合があります。   

アミノグリコシド系抗生物質(アミカシン、 ゲンタシン、 トブラマイシン) は、ボトックスの効果を増強させる可能性があり、同時に使用してはなりません。又、妊娠している時にも使用してはなりません。 

ボトックスに対するアレルギーが起きることは稀です。